謝肉祭から復活祭へ

    ドイツの季節

    謝肉祭から復活祭へ

    Karneval/Fasching/Fastnacht – 謝肉祭

    11月11日~「灰の水曜日(2024年2月14日)」
    Fastenzeit(四旬節)の断食までに肉に別れを告げ騒いで盛り上がろうというのが「謝肉祭」で、ケルン周辺等カトリックの影響が強い地方で行われます。謝肉祭は春夏秋冬に加え「5つ目の季節」と呼ばれ「Karneval (カーニバル)」「Fasching (ファシング)」「Fastnacht (ファスナハト)」など地方により呼び方が異なります
    カーニバル

    Weiberfastnacht – 女性のカーニバル

    ネクタイの日
    2024年2月8日(「灰の水曜日」前の木曜日)
    女性に主導権がある日で別名「ネクタイの日」と呼ばれます。この日に男性がつけるネクタイは、女性にハサミで切られてしまう風習があるため、出勤する時は切られても惜しくないネクタイを着けます。

    Rosenmontag – バラの月曜日

    2024年2月12日(「灰の水曜日」前の月曜日)
    「Alaaf!」(ケルン)、「Helau!」(デュッセルドルフ)等独特の挨拶を交わし、仮装して祝います。Rosenmontagsumzug(バラの月曜日の行列)ではフロートから「カメレ」と叫び声をあげる人々にお菓子を投げます。カーニバルの盛り上がりはこの日で最高潮に達します。学校や企業、お店の多くはお休みになります。
    カーニバル

    Fastnacht – 肉断ちの夜

    2024年2月13日(「灰の水曜日」前の火曜日)
    フランス語で「マルディグラ(「肥沃な火曜日」)」と呼ばれることで有名なこの日はお祭りの最終日です。ドイツでもMönchengladbachなど、この日にパレードが行われる地域もあります。

    Aschermittwoch – 灰の水曜日

    2024年2月14日
    教会では「人類は神が灰から創ったもの。死後灰に戻ることを忘れてはならない」という聖書の文言が読まれ、信者は額に灰の十字架をつくって神妙な気持ちで過ごします。
    灰の水曜日

    Fastenzeit – 四旬節

    2024年2月14日「灰の水曜日」から2024年3月28日「聖金曜日」の前日まで
    イエスが十字架で自らを犠牲にする前、40日間砂漠で苦悩の時を過ごしたことを偲ぶ時期です。
    (日曜日は数えないため、四旬節は復活祭の46日前にあたる灰の水曜日から始まります。)

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    当日は「政治的灰の水曜日」が至る所で開かれます。各党首が競い合うように自分の政党支持を訴え、主張します。

    Gründonnerstag- 聖木曜日

    2024年3月28日(イースター前の木曜日)
    イエスと使徒たちの最後の晩餐を記念する日とされています。

    Karfreitag – 聖金曜日

    2024年3月29日(イースター前の金曜日)
    イエスが十字架にかけられた日です。休日ですがパーティで騒ぐのはタブーとされ、基本的に静かに過ごします。外食する場合も肉料理を避けます。「本日のおすすめメニュー」で魚料理を設定するレストランが多いです。

    Karsamstag - 聖土曜日

    2024年3月30日(イースター前の土曜日)
    復活祭前夜。「沈黙の土曜日」としても知られています。

    Ostern – 復活祭(イースター)

    イースター
    2024年3月31日(春分後の最初の満月の次の日曜日)
    十字架にかけられたイエスが3日目に復活したことを記憶する、キリスト教にとって最も重要なお祭りです。街中ではイースターコーナーが設置され、店先ではプラスチックの卵、レンギョウ、ウサギのぬいぐるみなどが飾られます。

    Ostersonntag(イースターの日曜日)

    家では朝一番、大人たちが前もって隠しておいた卵形のチョコレート「Osterei(イースターエッグ)」やイースターうさぎのチョコレートを子供たちが探しまわります。お天気がよければ庭やベランダにも隠されます。

    Ostermonntag(イースターの月曜日)

    前述のKarfreitag(聖金曜日)からこの日まで(2024年は3月29日(金)~4月1日(月)まで)4連休となります。

    Solei – ゾールアイ
    固ゆで卵を塩水に浸けたイースターのシンボル的な食べ物で、北ドイツを中心に食されます。卵にひびを入れ塩水に一日ぐらい浸けたものです。食べる時には、殻をむいて縦半分に切り、黄身を取り出した穴に塩コショウや好みでお酢と辛子を入れ、再び黄身を乗せて一気に口に放り込みます。


    [写真・取材協力] 木場 澄江 (Sumie Koba): 神奈川県鎌倉市出身、現在はミュンヘン在住。東京藝術大学音楽学部声楽科ソプラノ卒業、ウイーン国立音楽大学修了。現在、ソロコンサート、独日通訳・翻訳活動でも活躍中。

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