“zu dem”で特定感を出してみる

    ドイツ語学習のヒント
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    こんにちは、スタッフのShokiです。以前ドイツ人の友人が”Ich bin zu dem Restaurant gegangen.“と言っているのを聞きました。あれ、”zum”じゃなくて”zu dem”?と不思議に思ったので今回はその違いについて取り上げたいと思います。

    まず、”zu dem Restaurant(そのレストランへ)”の”zu dem”は”zum”と融合させることができます。その他にも”an dem Fenster(窓のそばに)”を”am Fenster”に、また”von dem”-“vom”、”in dem”-“im”なども融合できます。融合(一部省略)しているだけなので基本的に意味は変わりませんが。使い方に若干の差異が生じます。

    融合しない場合

    Wir gehen heute zu dem Restaurant.

    demの形がしっかりと残っています。定冠詞は「その」と訳されることが多いように「特定感」を出します。つまり「レストランAでもレストランBでもなく、レストランCに行くんだ」ということを強調しています。

    融合する場合

    Wir gehen heute zum Restaurant.

    zumの字面からわかるように、demの存在感がなくなっていますよね。ということは、特定感が薄まり、「レストランA、B、Cどこでもいいのでとりあえずどこかのレストランに行く」ということを表しています。

    融合形がない場合

    ここで一つ疑問が浮かび上がってきました。”auf der Toilette”や”mit dem Taxi”のような融合形がない場合で特定感を「出したくない」場合はどのように表現すればいいのでしょうか?

    テキスト上では違いを出すことはできませんが「会話の中で」違いを表現することができます。例えば…

  • 特定感を出す: “mit DEM Taxi”のように”dem”を強調して少し長く発音すれば、タクシーAでもBでもなくタクシーCであることが強調できます。
  • 特定感を出さない: “mit dem”を”middem”のようにを流して発音すれば特定感を薄めることができます。
  • これで、融合形がない場合でも使い分けできそうですね。

    最後に、前置詞の融合形をいくつか表にまとめてみました。(—)は融合できないパターンです、流れるように発音しましょう。

    前置詞+定冠詞 (その融合形)
    an + 3格
    (~のそばで)
    an dem ( am )
    an der (—)
    an + 4格
    (~のそばへ)
    an den (—)
    an das ( ans )
    an die (—)
    auf + 3格
    (~の上で)
    auf dem (—)
    auf der (—)
    auf + 4格
    (~の上へ)
    auf den (—)
    auf das ( aufs )
    auf die (—)
    bei + 3格
    (~のそばで)
    bei dem ( beim )
    bei der (—)
    für + 4格
    (~のため)
    für den (—)
    für das ( fürs )
    für die (—)
    in + 3格
    (~の中で)
    in dem ( im )
    in der (—)
    in + 4格
    (~の中へ)
    in den ( — )
    in das ( ins )
    in die (—)
    von + 3格(~の)von dem ( vom )
    von der (—)
    zu + 3格
    (~のところへ)
    zu dem ( zum )
    zu der ( zur )

     

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